主権者教育の先進自治体・神奈川県の取り組みを紹介
2018年9月9日、かながわ県民センター(神奈川県横浜市)にて、「小・中学校における主権者教育(シティズンシップ教育)の取り組みと課題について」が開催されました。
主催は、主権者教育(シティズンシップ教育)に関して、10年以上活動されている「NPO法人ど・あっぷ」。
「ど・あっぷ」さんは、神奈川県を中心に、小学校~高校における主権者教育の実践を行っており、紛れもなくこの分野のパイオニア・草分け的存在のNPO法人です。
今回のイベントは、18歳選挙権を機に、高校での主権者教育が広がっていることを受けて、小学校や中学校でも主権者教育を実施することができないか、その現状と課題、可能性等を考えるものです。
当日は、小中学校の先生方や主権者教育に関心のある大学生や高校生、またシティズンシップ教育の教材を開発している静岡県の教育研究所の方々などが参加されました。
まず、私の方から「神奈川県における小・中学校向けの主権者教育の取り組み ~発達段階に応じた「政治的教養」を育む~」と題して基調講演。
高校の主権者教育の実践例を幾つか挙げた上で、神奈川県が国に先駆けて2017年度より導入している「小・中学校における政治的教養を育む教育」について、実際の小中学校での授業をご紹介。
続いて、藤沢市立小学校教諭で「NPO法人ど・あっぷ!」出身の藤原暢之先生から、「サザエさんワークショップ」を通じた小学校での主権者教育の授業手法についてご説明がありました。
質疑応答や意見交換も活発に行われ、
・理数系など社会科以外の科目ではどのような主権者教育が想定されるのか?
・シティズンシップ教育と言っても、欧州と日本(神奈川県)では導入の背景や目的が異なるはずだが、その違いをどう考えるのか?
・投票率以外に主権者教育の成果を測る指標はないのか?
・外部の専門組織(例:NPO・企業)が、シティズンシップ教育の教材開発等について学校とより連携するためには何が必要なのか?
といった、この分野に関心のある参加者の方々だからこその鋭い問題提起が多く、講師の私自身も新しい視点や刺激を沢山いただきました。
神奈川県の「小・中学校における政治的教養を育む教育」の先進性を認識したという声が多かったのが印象的でしたので、今後は県内外にも広く発信できればと思います。
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