神奈川県教委で「主権者教育の実践」オンライン講演!

「小中学校における政治的教養を育む教育」は5年目の座長に

2020年9月25日、神奈川県教育委員会の「小・中学校における政治的教養を育む教育」実践協力校連絡会が開催されました。

私は神奈川県教育委員会の依頼を受け、5年前から「小・中学校における政治的教養を育む教育」に関わる会議の座長を務めています。

2016年度には「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議が設置され、小・中学校段階において身に付けたい力について検討。

発達段階に応じた系統的な指導「政治的中立性を確保するポイント」が盛り込まれ、これまで各校で積み重ねてきた学習を活かす授業のあり方を明記した「指導資料」を作成し、県内の小・中学校に配布しました。

2017年度には実践協力校連絡会が設置され、この指導資料を参考に、県内の公立小学校2校・中学校2校の計4校が実践協力校として、2019年度まで3年連続で公開授業と研究協議が行われてきました。

2020年度も継続して実践協力校連絡会が設置されて新たな4校で実践が行われる予定で、私は5年連続で座長を務めています。

(写真:2018年度の公開授業と実践協力校連絡会の様子)

コロナ禍のため休校措置等が取られた影響もあり、「政治的教養を育む教育」の実施も検討されていましたが、座長として「コロナ禍だからこそ、今まで以上に、児童・生徒だけでなく教員にとっても、政治的教養を育む教育が重要になる」という考えを伝え、今年度も引き続き実施することとなりました。

なぜ、コロナ禍だからこそ「政治的教養を育む教育」が重要になるのでしょうか。

4年前、神奈川県教育委員会では「政治的教養」を以下のように定義しました。

「政治的教養」
政治そのものの仕組みや政策について学ぶだけではなく、児童・生徒の発達の段階に応じて、自分の身の周りや住んでいるまち等の身近な問題から現実社会における社会的な諸問題まで、それらを自分のこととしてとらえ、話し合い、相手を尊重し、様々な意見を自分の中で考え合わせながら、合意形成のかたちを想定し、意思を決定するに至る過程を大切にして、社会参画につなげていくこと。

つまり、選挙に投票する過程やその意義を学ぶことも大切ですが、神奈川県では、単に「政治そのものの仕組みや政策について学ぶだけではなく」として、「自分の身の周りや住んでいるまち等の身近な問題から現実社会における社会的な諸問題まで」と広くとらえることにしたのです。

この定義に照らし合わせてみると、コロナ禍は児童・生徒にとって「自分の身の周りや住んでいるまち等の身近な問題から現実社会における社会的な諸問題」まで影響が及んでおり、政治的教養を育む教育に取り組むことが求められていると考えたわけです。

今回の実践協力校連絡会は初めてオンラインで開催され、教育委員会の他、県内の小・中学校関係者の方々が出席。

私からは「政治的教養を育む教育の現状と展望~国内外の実践例を参考に~」と題した講演もさせていただき、小学校から大学に至るまで段階的で継続的な主権者教育のあり方もご紹介しました。

従来行われていた実践協力校での公開授業はコロナ対応により行われず各校の担当教員が実践について後日報告する形式を予定していますが、昨年度までになかった特別活動や行事を活用した事例も考えられています。

もちろん、神奈川県だけでなく、全国どの自治体でも「政治的教養を育む教育」は重要な取り組みですので、ご関心のある教育委員会や学校関係者等の方は是非お声掛け下さい。

「政治的教養を育む教育」について毎日新聞から昨年インタビューを受けましたので、併せてご参考にしていただければ幸いです。

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