愛知県新城市にて「GIGA☓主権者教育」を実践!

「若者議会」で有名な新城市にて、青年会議所(JC)と協働

2021年11月16日・24日、愛知県新城市で実施された「主権者教育オンライン講座」に登壇させていただきました。

新城青年会議所より依頼を受け、約半年かけて授業プログラムを練り上げてきました。

愛知県内の青年会議所は、これまでも豊橋市(2018年)・名古屋市(2019年)と、主権者教育の事業にご協力してきました。

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今回ご依頼を受けた新城JCも、これまでの愛知県内での実践をきっかけとしています。

新城市といえば、2015年4月から全国に先駆けて「若者議会」を設置し、若者の声を街づくりに活かしている自治体として有名です。

若者が活躍できるまちにするため、若者を取り巻くさまざまな問題を考え、話し合うとともに、若者の力を活かすまちづくり政策を検討しています。予算提案権を持ち、予算の使い道を若者自らが考え政策立案します。さらにそれを市長に答申し、市議会の承認を得て、市の事業として実施されます。こういう一連の仕組みやサイクルが、日本で初めて条例で定められています。

新城市HP「新城市若者議会について」

若者参画の面で注目していた新城市の青年会議所から依頼を受けたのは光栄で、主権者教育の新たなモデルづくりにご協力できるのではないかと考えました。

その思いで今回取り組んだのは、愛知県内の他の自治体はもちろん、全国的にも類を見ない「GIGAスクール構想」との連動でした。

「GIGA」は「Global and Innovation Gateway forAll(全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)」を意味しており、学校現場で児童・生徒一人一人がパソコンやタブレットといったICT端末を活用できるようにする取り組みです。

文部科学省は2019年度から導入する方針を示しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンラインの必要性が高まったこともあり、全国的な拡充が進められています。

新城市でもGIGAスクール構想を推進し、市立中学校では生徒各自にタブレットが配布され、授業等で活用していることを踏まえ、新城青年会議所による「GIGA×主権者教育」の講座を企画することになりました。

市内の公立中学校(新城中、千郷中、八名中)をオンラインで結び、同時中継する形式です。

実際には、学校のスケジュールの関係で2日間に分かれて実施しましたが、複数校をオンラインで繋ぐ主権者教育は私にとっても初めての企画となりました。

4年後の市長選挙に向けて、市立3中学校でオンライン模擬選挙!

新城市では、衆議院総選挙と同日となる2021年 10月31日に市長選挙が実施され、新人同士の一騎打ちということもあり、72.62%(前回69.23%)という高い投票率を記録しました。

新城青年会議所との連携企画は、この市長選挙の直後に実施されましたが、対象は中学3年生(14・15歳)ということで、4年後の市長選挙では多くの生徒が投票権を得るわけです。

新城市での主権者教育講座の流れは次のとおりです。

1.「選挙に向けて一歩踏み出そう」という選挙や政治に関する私のミニ講義
2.私が考案した授業プログラムをカスタマイズした「しんしろマイ争点」を体験
3.まちづくりで関心ある政策とその理由を考え、各クラスから数名が発表
4.青年会議所の会員が担当する「模擬・新城市長候補」の演説を聞く、
5.市長に相応しい人に投票する「デジタル模擬選挙」を行い結果を考える

特に「3.意見発表」では、さすが「若者議会」に取り組んでいる新城市の中学生だと感激するほど、街づくりへの問題意識や具体的な政策・争点が挙げられ、講師として驚きました。

事後のアンケート結果では、95%(16日分)・96%(24日)の生徒が「政治や社会が身近になった」と答えており、講座での真摯な学びの姿勢を含めて、今回ご協力してよかったと感じています。

生徒の皆さんからは、以下のような有難い感想が多く寄せられました。

・自分が立候補者の演説を聞き投票したことと、マイ争点を考えたことで、政治について少しは考えられたと思った。
・西野さんのお話などで色々なことを知れて、社会はこんなに身近にあったんだと改めて認識することができた。
・4年後には投票することになるから、候補者の考えをしっかりと理解してから投票すると言うのが大切だと思った。

・選挙は18歳以上の方しか投票できないから今の私からすると遠い存在だと感じていたが、自分の考えを明確にしたことにより、政治や社会は身近なものであると気づけた。

主権者教育授業後のアンケート結果より

今回ご依頼をいただいた新城青年会議所や、講座にご協力いただいた新城市立千郷中学校・八名中学校・新城中学校の先生方及び生徒の皆さんに、心より御礼を申し上げます。

このモデルはGIGAスクール構想を推進している地域であればどこでも実施できますので、全国的に広げていきたいと考えています。

まちづくりへの若者参画や投票率の向上等について問題意識を持っていたり、この「GIGA×主権者教育」にご関心のある青年会議所や教育・行政関係者の皆様は、是非ご相談下さい。

※授業の様子の写真:新城市立千郷中学校のHPより引用
※授業後アンケート:新城青年会議所主権者教育担当委員会より提供

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