参院選の啓発ポスターの掲示をめぐる高校の対応を指摘
2022年7月6日、TBSテレビの報道番組「news23」で、参院選期間中の「若者の政治参加」に関するニュースが取り上げられ、主権者教育に詳しい専門家としてコメント出演しました。
このニュースは、宮城県の県立高校で、参院選の啓発ポスターを掲示した生徒に対して、教員から「政治的活動にあたるので剝がすように」と言われた事案です。
高校3年のある女子生徒(17)が、参院選の仕組みを説明するポスターを自作し、校内に張り出したところ、教員から「政治的活動だ」と指摘され、はがすことになった。この生徒が経緯をツイッターで発信。その後、学校側は生徒に謝罪し、張り出しを認めた。
朝日新聞デジタル2022年7月6日付
ポスターの内容は、発信されているSNSで見る限りにおいて、「2 法律に定める学校は,特定の政党を支持し,又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」という教育基本法第14条に規定されている政治的中立性に抵触するようなものではないと思われます。
もちろん、主権者教育で政治的中立性を確保することは必要不可欠ではありますが、今回のケースのように、生徒の政治や選挙に対する関心を削ぐような対応は望ましくないでしょう。
番組でもこのような趣旨のコメントとして、
(若者の政治参加に詳しい慶應義塾大学SFC研究所 西野偉彦 上席所員の話)
学校側が中立性に過敏になっている。
TBSテレビ「news23」2022年7月6日放送
生徒が選挙に関心を持てる環境を作らないと、高校生の投票率も上がらない。
学校側の対応に疑問を呈しました。
実際、政治的中立性は主権者教育を推進する上で難しいテーマですが、今回の事案を一つのケースとして捉え、選挙期間中の学校における主権者教育や選挙啓発のあり方について、是非どの学校でも(教員も生徒も)「自分のこと」として考えるきっかけになればと考えています。
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