三浦市立三崎中学校で「主権者教育の展望」を講演!

神奈川県教委による公開授業・研究協議の第三回が開催

2017年11月6日、神奈川県の三浦市立三崎中学校で、神奈川県教育委員会「小・中学校における政治的教養を育む教育」実践協力校による公開授業と研究協議が開催されました。

既にお伝えしていますが、昨年度から県教委の依頼を受け、「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議の座長を務め、教員向けの「指導資料」を作成しました。

選挙権年齢が満18歳以上に引き下がって以降、高等学校での主権者教育が全国的に広がっていますが、「政治的教養」は本来、高校だけで取り組むものではなく、義務教育から子どもの発達段階に応じて身に付けていくべきという考え方にもとづいています。

平成23年度より「高等学校」での主権者教育に取り組んできた神奈川県は、「小・中学校」においても、国や他の都道府県に先駆けて主権者教育に着手したというわけです。

なお、神奈川県では、今年度の「学校運営の重点課題(小・中学校版)」の中に、「政治的教養を育む教育の充実」が次のように盛り込まれています。

〇政治的教養を育む教育の充実

平成28年度に「小・中学校における政治的教養を育む教育検討会議」が作成した政治的教養を育む教育指導資料等を参考にし、より良い社会をつくっていくために、子どもたちの主体的な社会参画をする姿勢を養っていくことが必要です。そのためには、子どもたちが社会の諸問題に関心を持ち、課題について多面的・多角的に考え、主体的に学習する授業を展開することが重要です。

なお、指導資料は、神奈川県教育委員会のホームページからダウンロードできます。

今年度は、この指導資料をベースにしつつ、県内の4つの小・中学校が「実践協力校」として、実際に「政治的教養を育む教育」を実施していただき、研究協議を行っています。

私は引き続き「実践協力校連絡会」の座長として、協力校の先生方や各市教育委員会等にご協力をいただきながら、「政治的教養を育む教育」の多様化・改善・拡充に取り組んでいます。

今回の三浦市立三崎中学校では、2年生の社会科「地理的分野」(身近な地域の調査)の単元において、「三浦市のまちづくり」をテーマに政治的教養を育む教育が行われました。

生徒は「生活便利派(三浦市の生活がもっと便利になる方がいい)」と「自然保護派(三浦市の自然環境を守った方がいい)」の立場に分かれてディベートを行っていく、という流れでした。

その後の研究協議の冒頭では、地区の小中学校の先生方からのご要望を受け、私から「主権者教育の現状と展望」と題して講演を行いました。

昨年の参院選と今年の衆院選における「18・19歳の投票率」の比較から始まり、主権者教育の背景、私が取り組んできた高校の実践例海外の若者参画、そして神奈川県の「小・中学校における政治的教養を育む教育」の意義まで、幅広くお話させていただきました。

今回の公開授業と研究協議の詳細については、4つの実践協力校の取り組みが出揃い次第、あらためてご紹介したいと思います。

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