統一地方選&参院選!「主権者教育2019」の展望は?

2019年は主権者教育の意義が問われる「選挙イヤー」

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

2018年は、全国の自治体や学校、青年会議所(JC)等から数えきれないほどの依頼をいただき、講演・授業に携わらせていただきました。

お声がけいただきました皆様に厚く御礼を申し上げます。

2019年は、統一地方選挙と参議院議員選挙が予定されており、衆議院総選挙があった2017年同様、主権者教育が注目される一年になると考えています。

そんな年にあたり、特に重点に取り組みたい主権者教育の3つのポイントをお伝えします。

①統一地方選では「地域版マイ争点」を拡大!

4月の統一地方選挙を見据えて、各地の自治体(選挙管理委員会・明るい選挙推進協議会)から主権者教育に関する講座を依頼いただいています。

昨年から新たに取り組んでいるのが「地域版マイ争点」という試みです。

もともとは、投票の基準について「自分の関心のある政策項目」から考える主権者教育プログラム「マイ争点」で、高校生からシニア世代まで好評をいただいていました。

「マイ争点」は、国政選挙の政策項目がメインだったことから、地域ごとの重点施策に置き換えることで地方選挙でも活用できるようにリニューアルしました。

横浜市青葉区(2018年6月)さいたま市桜区(2018年12月)で、「地域版マイ争点」を実施したところ反響があり、2019年1月には東京都品川区でも予定しています。

地域ごとに政策や課題等が異なるため、自治体に重点施策をまとめた資料を提供いただき、それを参照しながら、オリジナルのワークシートを作成し、主権者教育の講座で会場の皆さんに取り組んでいただいています。

この「地域版マイ争点」プログラムは全国どこでも活用できますので、ご関心のある自治体の方は是非ともご依頼いただければと思います。

②参院選では「19歳の投票率UP」の取り組みを充実!

2019年7月の参議院議員選挙で懸念されているのが、19歳の低投票率です。

2017年の衆議院総選挙でも、18歳は47.87%に対して、19歳は33.25%と、約15ポイントも低かったのです。

19歳の投票率が低い背景には「住民票の移動」が影響していると考えられますが、高校を卒業した後に主権者教育をどう浸透させていくのか、という課題もあります。

私自身は、大学(特に一般教養課程)での主権者教育の充実が不可欠だと考え、2018年には東京大学教養学部でもゲスト講師としてお招きいただくなど、主権者教育に取り組んできました。

19歳の投票率については、毎日新聞1面にコメントが取り上げられたこともあり、2019年の参議院選挙に向けて、より力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

もちろん、高校生の主権者教育にも継続的に取り組んでいますので、ご関心がある学校関係者の方は、講演や授業のご相談をいただければ幸いです。

③神奈川県の座長として「小中高」主権者教育を提案!

統一地方選挙と参議院選挙では、それぞれ主権者教育の取り組みが求められますが、主権者教育は目の前の選挙のためだけに行われるべきものではありません。

選挙権年齢が満18歳以上に引き下がって以降、高等学校での主権者教育が全国的に広がっていますが、神奈川県では、「政治的教養」は、高校だけで取り組むものではなく、義務教育から子どもの発達段階に応じて身に付けていくべきと考えています。

この考え方に基づき、2016年度に神奈川県教委の依頼を受け、「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議の座長を務め、教員向けの「指導資料」を作成しました。

この指導資料をベースにしつつ、2017年度から県内の4つの小・中学校が「実践協力校」として、実際に「政治的教養を育む教育」を実施していただき、公開授業と研究協議を行っています。

2018年度は「実践協力校連絡会」の座長として、協力校の先生方や各市町村教育委員会等にご協力をいただきながら、「政治的教養を育む教育」の多様化・改善・拡充に取り組んでいます。

加えて、2018年12月には、神奈川県教育委員会の依頼で、2011年度から県立高校で導入されている「シチズンシップ教育」推進プロジェクト会議の座長にも就任しました。

小・中学校の「政治的教養を育む教育」だけでなく、高校の「シチズンシップ教育」にも接続するかたちで、主権者教育の「小中高一貫モデル」を提案できるように努めたいと考えています。

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