学校の「教室割り」から政治を考えてみよう!
2017年11月17日、目黒星美学園学園高等学校(東京都世田谷区)の2年生全員が、(公財)松下政経塾を訪れ、私が考案した主権者教育プログラムを体験しました。
この企画は、前回のブログで紹介した高槻高校と同様に、松下政経塾と株式会社JTBの連携による高校生向けの教育プログラムの一環です。
個人的にも目黒星美学園小学校の近くにある幼稚園を卒園しているという縁があり、当日来て下さった生徒の皆さんの中には「後輩」も大勢いて、親近感を持ちました。
今回のプログラムは「身近な学校生活から政治を考えよう!」で、ミニ講座と実践プログラムです。
ミニ講座は導入として、18歳選挙権の背景や意義、16年参院選と17年衆院選における18・19歳の投票率、模擬議会はじめ主権者教育の実践、ドイツの先進事例などを30分程度で紹介しました。
その後の実践プログラムは、私がこれまで多くの高校で取り組んできた「生徒会予算の部活への配分」を考える「社会的意思決定学習」の枠組みはそのままで、目黒星美学園に合ったテーマに差し替えたバージョンです。
そのテーマは「教室割り」。
高校2年生の教室は昇降口から最も遠い校舎4階に配置されており「移動が不便だ」という生徒の声が、事前の「校内で解決したい課題に関するアンケート」から複数見受けられていたことを受けて、考案しました。
これは、「限られた資源(財源)をどうすれば多くの国民が納得するかたちで配分できるのか」という現代日本が直面する問題に対し、生徒にとって身近な「教室割り」というテーマから考えることができるものです。
主権者教育プログラムの特徴としては、
①政治について「身近なところ」から考えることができる
②今学校に求められている「アクティブラーニング」の要素がある
③2コマで終わる「授業時間」の確保
の3点から、ありがたいことに多くの学校から好評をいただいています。
今回の目黒星美学園高校の皆さんも終始真剣に取り組んでいただき、ミニ立会演説では私が指名する前に自分から「やります!」と立候補してくれた人もいて驚きました。
終了後には、質問を多く受けただけでなく、帰り際には何人もの生徒さんが私のもとに駆け寄って次々と話しかけてくれました。
・選挙に際して投票する重要なポイントは政策だというが、どうやって政策について考えたらいいのか。
・ドイツの取り組みを学んだが、ロシアでは主権者教育は行われているのか。
・成人年齢と選挙権年齢が異なっているが、合わせる必要はないのか。
・学校生活でもっと政治について議論をしてみたいが、よい方法はないか?
「初めて楽しく政治について考えられました!」と言って下さった生徒さんが多く、今回もまたやりがいのある主権者教育の実践になりました。
授業などで現実の政策をそのまま取り上げて考えることだけでなく、こうして身近な学校生活の課題が政治につながっていることを皆で気づき、議論する主権者教育を一層広げていきたいと思います。
※授業の模様は目黒星美学園高校HPでもご紹介いただいています。
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