時代の変化に合わせ7年ぶりに改訂
2020年3月、神奈川県教育委員会は「シチズンシップ教育 指導用参考資料」を改訂しました。
私は県教育委員会からの依頼を受け、2年前(2018年3月)より「シチズンシップ教育推進プロジェクト会議」の座長として、多くの方々と共にこの改訂に取り組んできました。
神奈川県は、2011年度より県立高等学校および県立中等教育学校において、シチズンシップ教育を推進しています。
神奈川県における「シチズンシップ教育」とは、
これからの社会を担う自立した社会人を育成するために、学校から社会への円滑な接続を意識しながら、豊かな人間性や社会性をはぐくむため、さまざまな参加型・体験型の学習活動を重視して取り組むことで、生徒一人ひとりに、実社会で役立つ豊富な知識と経験をしっかりと身に付けること
をねらいとして、具体的には「政治参加教育」「司法参加教育」「消費者教育」「道徳教育」の4本柱を展開してきました。
その後、2015年に公職選挙法が改正されたこと(18歳選挙権)や2016年に民法が改正されたこと(18歳成人)等に加え、「ロボットや人工知能(AI)の発達、ビッグデータの活用やIoTといった様々な変化が加速度的に進む社会において、より一層実践的な学びが必要である」と判断し、シチズンシップ教育の指導用参考資料を改訂することになりました。
改訂では、これまで4本柱を「法に関する教育」「政治参加に関する教育」「経済に関する教育」の3領域と、それらに関わる「モラル・マナーに関する教育」に整理しました。
従来のように4本柱を独立した形で捉えるのではなく、これを更に進めて複合的に指導できるようにしたもので、改訂した「指導用参考資料」にはそれぞれの実践事例を収録し、複数の領域にまたがる指導計画を立てています。
(シチズンシップ教育「指導用参考資料」より)
本指導用参考資料及び授業で使用したワークシートは県教育委員会ネットワークに掲載されており、県内の教員の皆さんには是非ご活用いただければと思っています。
新型コロナウイルスの感染拡大により、学校教育のみならず、社会や市民のあり方も問われている中、シチズンシップ教育は県内外を問わず今後より重要になると考えています。
シチズンシップ教育の先進自治体の座長としての経験を生かして、引き続き自治体や学校等での研究・実践に取り組んでいきますので、ご関心のある方は是非お声がけ下さい。
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