18歳からの裁判員制度における主権者教育(法教育)の必要性
2023年4月11日付の日本経済新聞朝刊に「「18歳から裁判員」理解深めて 経験者助言や模擬体験」が掲載、識者としてのコメントが紹介されました。
今年から18歳以上が裁判員制度の対象となることを踏まえて、高校での模擬裁判や弁護士会が協力する出前講座等について取り上げられています。
私の専門分野・主権者教育は「政治参加」の観点が注目されがちですが、2022年度から高校に導入れた科目「公共」にあるように、「法に関する教育(司法参加)」も含まれています。
2018年度より神奈川県教育委員会にて「シチズンシップ教育推進プロジェクト」座長を務めた折には、この「法に関する分野」の授業プログラムの開発等にも関わる機会がありました。
その他、主権者教育が本格的に全国で導入される前に、高校での模擬裁判の現場に立ち会った経験もあり、今回の取材には海外の事例も挙げながらご協力しました。
22年度からは高校で法教育を含む公民科の必修授業「公共」が始まった。司法参加の意識や知識の向上が期待されるが、主権者意識に関する教育に詳しい慶応大学SFC研究所の西野偉彦上席所員は「実践的な法教育の取り組みが欧州などに比べて遅れている」と指摘する。
日本経済新聞2023年4月11日付朝刊より
日本の裁判員制度のモデルの一つで参審制を採用するドイツでは、高校を含め小中学校に生徒や教員らでつくる「学校会議」を設置。校内規則など学校運営の在り方を話し合う。校内トラブルを仲裁する「調停者」を生徒が務める制度もある。西野氏は「日本でも早期から実社会の利害調整に関わることは、裁判員を担う心構えを育む機会につながる」とみる。
西野氏によると、18歳以上の市民が陪審員として評議に参加する米国では、法科大学院の学生らでつくるNPO法人が、広く高校で法教育に取り組んでいる。授業のプログラムや教材作成を担うケースもあるという。
政治参加に関する主権者教育だけではなく、こうした法教育の充実にも貢献することを通じて、広く市民が参画できる成熟した民主主義社会の形成にご協力していきます。
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