「2020年の主権者教育」の展望~国と地方での実践~

国・自治体・学校…主権者教育の新たな挑戦へ

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。

2019年は、自治体(教育委員会・選挙管理委員会)、学校、青年会議所、メディア等から多くの依頼をいただき、講演・授業・情報発信に携わらせていただきました。

2020年は、7月に東京都知事選が控えており、東京オリンピック後には衆議院総選挙も取り沙汰されていることもあり、昨年に続いて若者の政治参加や主権者教育が注目されることでしょう。

そんな年にあたり、重点的に取り組む主権者教育の3つのポイントをお伝えします。

文科省の主権者教育状況調査に有識者として協力

2016年度、文部科学省は全国の高校や教育委員会等に対して、主権者教育(政治的教養を育む教育)の実施状況及び支援状況に関する調査を実施しました。

その結果、2015年度第3学年以上の生徒に対して94%以上の学校で取り組みが実施され、全ての教育委員会において高校等の主権者教育への支援が行われていることが明らかとなりました。

それから3年余が経った2019年度。再び主権者教育実施状況調査を行うこととなり、調査を応札した民間コンサルティング会社の依頼で、私が有識者として協力しています。

多くの講演をしていますが、必ず聞かれるのは「主権者教育の現状と課題」です。学校現場や教育委員会等での実践に則してお答えしていますが、一方で客観的かつ全国的なデータにもとづく分析も非常に大事です。

そんな中で、国の調査に関わる機会は極めて意義があり、予断を持たず現状を把握・分析することで、今後の学校や自治体における主権者教育のあり方を考える重要な機会となります。

近年、様々な分野においてEBPM(Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)の重要性が提唱されていますが、2020年は実践とデータを両輪とする主権者教育に取り組みたいと考えています。

神奈川県から小中学校での主権者教育モデルを構築

神奈川県教育委員会は、全国に先駆けて主権者教育(政治的教養を育む教育)を義務教育段階から導入するべく、2016年度に検討会議を発足して指導資料を作成2017年度から実践協力校による公開授業と研究協議を推進しています。

私は検討会議から座長を務めており、県内の小中学校において、現場の先生方や市町村教育委員会の指導主事の尽力により、多様な授業実践に取り組んできました。

今春には過去3年分の指導事例集が発行予定で、ぜひ神奈川県内のみならず全国各地の小中学校でも参考にしていただきたいと考えています。

加えて、これまでの神奈川県での取り組みを整理し、その課題を分析し、県内でより広げるためには何が必要なのか「自治体の教育モデル」として発信するためにはどこに重点を置くべきなのか、座長として考えていきます。

神奈川県では、高校での主権者教育が位置づけられる「シチズンシップ教育」を推進する会議の座長も務めていることから、小学校から高校まで12年間を見通した段階的かつ継続的な教育のビジョンを構築したいと思います。

この分野の最先進自治体・神奈川県で座長を務めた5年間の集大成として、これまでの積み重ねを大切にしつつ、「主権者教育の自治体モデル」を構築していく決意です。

都知事選と衆院選を見据えた主権者教育の立て直し

2020年の大型地方選挙として、7月の東京都知事選が予定されています。そして、東京オリンピック後には衆議院総選挙も控えているのではという一部報道もあります。

投票率が低迷している若年層の政治参加をどう促すか、「18歳選挙権ブーム」の去った主権者教育の立て直しをどう図るかが重要なポイントになります。

学校における主権者教育の授業はもちろん、青年会議所(JC)や選挙管理委員会による公開講座等の充実にも一層貢献したいと考えています。

特にオススメしたいのは昨年の名古屋JCの事業です。市内の3つの高校において、参院選に主権者教育を連続実施しましたが、企画段階から当日の講師までご協力しました。

名古屋JCの担当者の方が熱心かつ真摯で、現場の先生方との信頼関係を構築されていたこともあり、大変やりがいのある主権者教育プロジェクトになりました。

2020年度は日本JCからも依頼をいただいていますが、単独では主権者教育に取り組むことが難しいと感じている高校はぜひ地元のJCをはじめ外部と連携した授業に挑戦していただきたいと思います。

また、東京都や横浜市、さいたま市の各区をはじめ、全国の選挙管理委員会からの依頼が急増している「選挙啓発講座」にも引き続きご協力していきます。

特に主権者教育の体験コーナー「マイ争点」は、地域版が好評を博したことから、更にバージョンアップして、2020年は選挙がない自治体でも取り組むことができるプログラムにしていきたいと思っています。

ご関心のある青年会議所や自治体、学校等の方々は是非ご相談いただけると幸いです。

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