神奈川県教委の座長として「校則見直しと生徒会活動」を講演
2022年8月4日、横須賀市の「連合生徒会リーダースキャンプ」が開催されました。
このイベントは、横須賀市教育委員会が主催で、市内の中学校における生徒会役員が集まり、「ともに実践を交流する中で、リーダーとしての自覚、自校をよりよくしていく意識を高める」こと等を目的に開催されています。
10年以上にわたり続いてきた横須賀市ならではの取り組みで、コロナ禍で中断していたこともあり3年ぶりの開催です。
「キャンプ」という名称のとおり、従来は宿泊型で行われていたとのことですが、少し前から日帰り開催に変わり、さらに今年はコロナ禍を考慮してオンライン開催となりました。
このHPでも度々ご紹介しているとおり、私は2016年度より神奈川県教育委員会の依頼を受け、「小・中学校における政治的教養を育む教育」の座長を務めています。
2017年度より実践協力校連絡会が設置され、県内の小・中学校にご協力いただき、毎年「政治的教養を育む教育」の授業実践を積み重ねています。
6年目となる2022年度は、横須賀市立長沢中学校が実践協力校になっていただき、「校則の見直し」を軸とする「生徒会活動」に焦点を当てています。
校則の見直しは今や全国的なトレンドになっていますが、「政治的教養を育む教育(主権者教育)」としての実施例は少なく、横須賀市の公立中学校としては初めての試みとなります。
今回のリーダースキャンプは、この長沢中学校が実施担当の中心校ということもあり、「政治的教養を育む教育」の座長として講演をさせていただきました。
現在、生徒会活動支援協会の理事長として、各地の学校における生徒会活動の活性化に取り組んでいることに加え、何よりも私自身が公立中学校(と公立高校)で生徒会長の経験があるため、「当事者」としての視点も大切にお話ししました。
「生徒会の『チェンジリーダー』になろう」と題した講演では、校則の見直しを含めて、自分たちの学校をより良くしようと奮闘する全国の中学生徒会リーダーたちをご紹介。
生徒会リーダーとして「目指すビジョン」を掲げ、それを「実現するためのアプローチ」をどのように考えていくのか、具体的な事例(大阪府箕面市・静岡県浜松市・岐阜県大垣市)をもとにお話ししました。
終了後の質疑応答では、オンラインで繋いだ横須賀市の中学校各校の生徒会リーダーたちから質疑応答が相次ぎ、生徒たちの関心の高さと意欲ある姿勢に感激しました。
講演後には、長沢中学校の生徒会役員とのミニ座談会も開催。「校則の見直し」に取り組む中での悩みや試行錯誤について相談を受け、様々な経験を踏まえてアドバイスをしました。
後日お聞きしたところでは、お話しした生徒会リーダーの皆さんはとても励まされたそうで、顧問の先生も含めて大変喜んで下さったそうで、私自身も嬉しく思います。
神奈川県教育委員会が定義する「政治的教養」とは、
「政治的教養」
神奈川県教育委員会ホームページ
政治そのものの仕組みや政策について学ぶだけではなく、児童・生徒の発達の段階に応じて、自分の身の周りや住んでいるまち等の身近な問題から現実社会における社会的な諸問題まで、それらを自分のこととしてとらえ、話し合い、相手を尊重し、様々な意見を自分の中で考え合わせながら、合意形成のかたちを想定し、意思を決定するに至る過程を大切にして、社会参画につなげていくこと。
というものであり(座長としてこの定義づくりを推進)、まさに生徒会活動は「身近な問題」を「自分のこととして」考える大事な取り組みです。
長沢中学校の生徒会リーダーたちと同校の先生方によるプロセスを大切にしつつ、横須賀市の他校をはじめ、全国の中学校でも同様の取り組みができるようなモデルづくりを目指します。
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