【衆院選2024】投票率UPへ!学校や家庭で主権者教育「マイ争点」を

衆院選を前に「自分の関心がある争点」を考えてみよう

第50回衆議院総選挙は 2024年10月15日公示、27日投開票が予定されています。今回の衆院選は、18歳選挙権施行8年目でもあり、特に若年層の政治参加や投票率が注目されています。

既にご紹介しているように、15年にわたり主権者教育を推進してきましたが、主権者教育は本来、日常的かつ継続的に、義務教育から段階的に取り組んでいく必要があり、選挙の時だけ盛り上がるべきではありません。

これは、神奈川県教育委員会の座長として、8年前から全国に先駆けて推進している「小・中学校における政治的教養を育む教育」のように、民主主義社会の基盤を支えるために、地道で息の長い取り組みこそが主権者教育の本質だと考えているからです。

とは言え、衆院選が実施されることになりましたので、一人ひとりが投票するためには、主権者教育を手掛かりに、選挙と向き合い、政治参加をしていくことが大事です。

具体的な主権者教育プログラムは多様で、私自身も多くの授業案を企画・実施してきましたが、今回ご紹介するのは、全国各地で好評をいただいている「マイ争点」です。

これは、2016年7月の参院選を前に、かつてシチズンシップ教育アドバイザーを務めていた神奈川県立高校での授業実践を参考に作成した主権者教育です。

「マイ争点」は、自分の関心のある政策テーマを選び、その政策テーマの「具体化・理由・問題点・解決策」を考えていくワークシートです。

選挙のたびに、「報道を見ても、争点が(多くて・少なくて)よく分からない」という声を聞きますが、それなら自分が大切にするポイント(=マイ争点)を考えてみればいいのでは?-という逆転の発想からきています。

「マイ争点」ではオリジナルのワークシートを用意(下)するようにしています。

※今回の衆院選2024にあたり「政策項目」をリニューアルしました!

「情報リテラシー」も身につける主権者教育こそ大切

「マイ争点」に取り組む際に大切にしたいのは「情報を見極め熟慮するプロセス」です。

例えば、高校でのゲスト講義をする時に生徒の皆さんにこう問いかけます。

政策項目にある「財政・金融」って何を指しているんでしょうか?また、社会保障って具体的にどういう政策でしょうか?いま問題になっている「政治制度改革」って何でしょうか?分からない人は、スマートフォンやタブレットなどを使って調べてみながら書いてください。

もちろん、携帯端末の持込や使用を禁止している学校もありますが、実際の投票に際し情報を収集するためにインターネットは重要なツールです。

ネットに溢れている情報の中で、有権者としてどれを信頼(取捨選択)すればいいのか。

いわゆる「情報リテラシー」を身に付けるためにも、こうして主権者教育と連動していくことも大事ではないでしょうか。

写真は以前、名古屋市内の高校で実施した「マイ争点」の様子です。実際に、生徒の皆さんにスマートフォンやノートパソコンを使いながら楽しく取り組んでいただきました。

ネットで調べると同時に、生徒の皆さんには「周りの友達と話しながら書いても構いません。途中でもどんどん話してみて下さい」とも言います。

(1)の政策項目を考えるだけでも主権者教育として有効ですが、自分の意見を深く掘り下げる(2)まで取り組むことに意義があります。

関心のある争点をもとに、各党の公約を比較して、自分が一票を託したい候補者や政党を絞り込むことができるからです。

高校では社会科(「公共」など)や総合的な学習(探究)の時間で取り組むことができますし、ぜひ家庭では親子で一緒に考えてみていただければと思います。

この「マイ争点」は主に高校生や大学生向けですが、実は社会人・親・シニアなどの大人世代にとっても学びや気づきが多いという声をたくさんいただいています。

そもそも正解がない社会問題、政策テーマをどう考えていくのか。自分の頭の中で深めることも大切ですが、周りの人たちと意見交換することも欠かせません

熟慮する中で、周りと話して自分の意見が変わったり、新たな見方や考え方に気がつくことも、主権者教育の大切な要素だからです。

この「マイ争点」はいつでもどこでも誰でも取り組むことができる主権者教育プログラムです。

どなたにもご活用いただければと思いますし、写真にあるように私自身がゲスト講師を務めることもできますので、ご関心があればご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です