高校教員100名が参加!各校での授業実践もシェア
2017年12月15日、新潟県教育委員会による「平成29年度 選挙権年齢引き下げへの対応に関する研修会」が開催され、講師として登壇しました。
全国各地で講演をさせていただいてきましたが、新潟県からの依頼は初です。
当日は、県立教育センター(新潟市西区)に、県内の高校・中等教育学校の約100名の先生方が来場されていました。
特徴的だったのは、対象が「公民科」と限定されず「主権者教育に関心がある教員」ということ。
このブログでもご紹介していますが、福井県など「公民科の教員以外」にも主権者教育を広げていこうとしている自治体が増えています。
新潟県でもその流れがあるということで、今回の研修会では会場の3分の1程度が「公民科以外」の科目を担当されている先生方でした。
そうしたことを踏まえ、講演では18歳選挙権に関する背景や意義から、2016年参院選と2017年衆院選の18歳・19歳投票率(新潟県も含め)を分かりやすくお伝えするようにしました。
その上で、主権者教育の国内事例として、私自身が関わってきた「模擬議会」「マイ争点」「生徒会予算の配分プログラム」「神奈川県の小中学校での実践」の4つをご紹介。
海外の先進事例と合わせて、会場の先生方が主権者教育について「明日からでも実践したい」と思って下さるような講演内容にしました。
講演を聞いて下さった先生方は、
〇主権者教育は、決して「投票に行こう!」というものではなく、日頃の授業から、多様な考え方の存在を知り、合意形成手段を学び、共存社会を形成する人格を育てることだということを教えていただいた。
〇今の現場を認めてくださいつつ、(政治的教養の)定義を明確にして、主権者教育の導入を呼びかけてくださるご講演は、現場にいる者の一人として大変ありがたかった。
〇生徒会予算の分配は、国民から徴収した税をどのように国民生活に反映させるかということを体験し、財政について考える機会となるので大変有効な事例だし、地歴公民科の教諭以外でも取り組みやすいテーマだと感じた。
といった感想を寄せて下さいました。
講演後には、新潟県立の長岡大手高校と加茂高校の先生方による授業実践の報告も開催。
主権者教育の生徒向け副教材「私たちが拓く日本の未来」を活用し、「地域通貨をテーマにした地域活性化のあり方」「架空の市長選挙を題材にした模擬選挙」をそれぞれ実施されていました。
主権者教育は、新しい授業方法を模索することもできる一方で、先生方が既に学校現場で取り組まれている内容を活かすことも十分できます。
今後も、こうした研修会の講師を務めさせていただくことを通じて、バリエーション豊かな主権者教育のあり方を、現場の先生方と一緒に考えシェアさせていただきたいと考えています。
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