「食堂の寒さ対策」から政治を考える2時間!
2018年2月28日、甲子園学院高等学校(兵庫県西宮市)にて、高校1年生120名を対象にした主権者教育プログラムの講師を務めさせていただきました。
この企画は、以前ご紹介した目黒星美学園高校と同様に、松下政経塾と株式会社JTBとの連携による高校生向け教育プログラムの一環です。
関西の高校での実施は今回が初めてでしたが、生徒の皆さんは大いに盛り上がり、積極的に参加して下さいました。
今回のプログラムは「身近な学校生活から政治を考えよう!」で、ミニ講座と演習です。
ミニ講座は導入として、18歳選挙権の背景や意義、16年参院選と17年衆院選における18・19歳の投票率、主権者教育とは何か、ドイツの先進事例などを30分程度で紹介しました。
その後の実践プログラムは、私がこれまで多くの高校で取り組んできた「生徒会予算の部活への配分」を考える「社会的意思決定学習」の枠組みはそのままで、甲子園学院高校に合ったテーマに差し替えたバージョンです。
テーマは「食堂の寒さ対策」。
事前に生徒の皆さんに「校内で解決したい課題」についてアンケートを取ったところ、最も多かった回答が「食堂が寒いので暖かくしてほしい」というものでした。
そこで、私が考案した主権者教育プログラムについて、この「食堂の寒さ対策」を討論テーマにして実施することにしたのです。
これは、「限られた資源(財源)をどうすれば多くの国民が納得するかたちで配分できるのか」という現代日本が直面する問題に対し、生徒にとって身近な「食堂の寒さをどう解決するのか」というテーマから考えることができるものです。
主権者教育プログラムとしての特徴は、
①政治について「身近なところ」から考えることができる
②今学校に求められている「アクティブラーニング」の要素がある
③2コマで終わる「授業時間」の確保
の3点から、ありがたいことに多くの学校から好評をいただいています。
今回の甲子園学院高校の皆さんも終始真剣に取り組んでいただき、ミニ立会演説では私が指名する前に自分から「演説したい!」と立候補してくれた人が続出して、大変驚きました。
模擬投票①と②の間で、自分で考え、グループで討論し、ミニ立会演説を踏まえ、「自分の考え方が変わった」と手を挙げて下さった生徒が全体の半数近くに上ったことが印象的でした。
「初めて楽しく政治について考えられました!」と言って下さった生徒が多く、今回もまたやりがいのある主権者教育の実践になりました。
授業などで現実の政策をそのまま取り上げて考えることだけでなく、こうして身近な学校生活の課題が政治につながっていることを皆で気づき、議論する主権者教育を一層広げていきたいと思います。
※授業の模様は甲子園学院高等学校のHPでもご紹介いただいています。
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