県内12校での「政治的教養を育む教育」を紹介!
2020年3月26日、神奈川県教育委員会は「小・中学校における政治的教養を育む教育」について、「平成29年度~令和元年度 実践協力校 指導事例集」を発行しました。
私は、神奈川県教委の依頼を受け、4年前から「小・中学校における政治的教養を育む教育」に関わる会議の座長を務めています。
2016年度には「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議が設置され、小・中学校段階において身に付けたい力について検討を行いました。
発達段階に応じた系統的な指導や「政治的中立性を確保するポイント」が盛り込まれ、現場の先生方にとって負担に感じないように、これまで各学校で積み重ねてきた学習を活かす授業のあり方を明記した「指導資料」を作成し、県内の小・中学校に配布しました。
2017年度には「小・中学校における政治的教養を育む教育」実践協力校連絡会が設置。
毎年度、指導資料を参考に、県内の公立小学校2校・中学校2校の計4校が実践協力校として指定され、2019年度まで3年連続で本格的な授業実践(計12校)が行われてきました。
公表された「指導事例集」では、3年分の実践協力校における「小・中学校における政治的教養を育む教育」の取り組みが掲載されており、
単元計画・本時の様子・研究協議・授業実践をもとにした指導事例
の4つが、授業で参考・活用できるように書かれています。
実践協力校の学校名も公表されており、小・中学校における主権者教育に関して、全国初の具体的な指導事例集となっています。
これまでの実践協力校と単元は次の通りです。
【2017年度】
・海老名市立柏ケ谷小:3年国語科「考えを深めよう」
・中井町立中村小:4年社会科「開発にたずさわる人々」
・三浦市立三崎中:2年社会科[地理的分野]「身近な地域の調査」
・平塚市立金目中:3年社会科[公民的分野]「地方自治と住民の参加」
【2018年度】
・秦野市立大根小:4年総合的な学習の時間「制服か私服か」
・藤沢市立御所見小:6年総合的な学習の時間「学校改革制作委員会」
・小田原市立千代中:2年社会科[地理的分野]「日本の資源・エネルギー」
・清川村立緑中:3年社会科[公民的分野]「地方自治と私たち」
【2019年度】
・小田原市立早川小:4年特別の教科 道徳「友情・信頼」
・大和市立下福田小:5年総合的な学習の時間「環境について考えよう」
・伊勢原市立伊勢原中:1年社会科[地理的分野]「ヨーロッパ州」
・鎌倉市立大船中:1年社会科[地理的分野]「アフリカ州」
このように、様々な学年や科目で実施しており、社会科・公民科だけでなく、総合的な学習の時間・国語科・特別の教科 道徳 といった多様な授業実践を試みています。
指導事例集は神奈川県教育委員会のホームページからダウンロードできます。
神奈川県内のみならず、全国各地の小・中学校の先生、教育委員会、主権者教育を推進している研究者・NPO等の教育関係者の方々に、是非ご覧いただければ幸いです。
この事例集の作成にあたっては、実践協力校として公開授業に取り組んで下さった現場の先生方や支援された各市町村の教育委員会・教育事務所等の方々の多大なお力添えをいただきました。
加えて、この実践協力校連絡会を共に運営して下さった県教育委員会、とりわけ3年間にわたり座長の私と二人三脚で歩んでいただいた「小・中学校における政治的教養を育む教育」担当の指導主事の方のご尽力がありました。
この場を借りて、関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。
神奈川県では、2020年度も「小・中学校における政治的教養を育む教育」実践協力校連絡会を継続し、4年連続で新たな実践協力校のご協力のもと充実していこうとしており、私自身も5年目の座長として、義務教育段階からの主権者教育の導入を推進していきます。
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