中学3年生が「清川村の人口増加」をテーマに討論!
2018年12月13日、神奈川県の清川村立緑中学校で、神奈川県教育委員会「小・中学校における政治的教養を育む教育」の公開授業と研究協議が開催されました。
このブログでもご紹介しているように、神奈川県では、「政治的教養」は、高校だけで取り組むものではなく、義務教育から子どもの発達段階に応じて身に付けていくべきと考えています。
この考え方に基づいて、2016年度に県教委の依頼を受け、「小・中学校における政治的教養を育む教育」検討会議の座長を務め、教員向けの「指導資料」を作成しました。
この指導資料をベースにしつつ、2017年度から県内の4つの小・中学校が「実践協力校」として、実際に「政治的教養を育む教育」を実施していただき、公開授業と研究協議を行っています。
私は引き続き「実践協力校連絡会」の座長として、協力校の先生方や各市町村教育委員会等にご協力をいただきながら、「政治的教養を育む教育」の多様化・改善・拡充に取り組んでいます。
今回は、神奈川県内唯一の村である愛甲郡清川村にある村立緑中学校にて、3年生の社会科(公民的分野)の「地方自治と私たち」という単元を活用しました。
これまで、「清川村の人口の現状」について、資料で読み取ったり、役場の方から人口増加の対策を聞いたりする中で、具体的な案を班ごとに考え、皆で討議してきました。
当日は、6班それぞれから人口増加に向けた対策を発表し、質疑応答や意見交換を経て、生徒一人ひとりが自分の考えをワークシートに記入する、まとめの時間になりました。
「都心への遠距離に着目した通勤費・通学費への補助」、「路線バスの増便・無料化」、「移住者を増やすための空き家再利用」といった、小さい頃から清川村で育ってきた生徒たちならではの意見が多く聞かれたのが印象的でした。
授業後の研究協議の場では、出席された先生方に向けて、「補助金を増やすための負担は村民で分かち合えるのか?」という‟当事者性”をどう気づかせるのか、また、清川村が「消滅可能性都市」に含まれている現状を踏まえた上で、「村の合併の可能性」という‟健全な危機感”をどう意識させるのか、等のポイントについて、座長としての講評を申し上げました。
今年度の神奈川県教育委員会「小・中学校における政治的教養を育む教育」の公開授業と研究協議は、この緑中学校で終了となりますが、4校の実践協力校での内容については、昨年度と同様に「指導事例集」として、2019年3月に公表される予定です。
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