大学生でも国会議員に!? 日本初のクラスルームDP開催
2017年7月27日、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)にて「クラスルーム討論型世論調査」が開催されました。
討論型世論調査(deliberative poll: DP)とは、
「通常の世論調査とは異なり、1回限りの表面的な意見を調べる世論調査だけではなく、討論のための資料や専門家から十分な情報提供を受け、小グループと全体会議でじっくりと討論した後に、再度、調査を行って意見や態度の変化を見るという社会実験」(慶應義塾大学DPセンターHPより)
のことです。
DPは、米国スタンフォード大学のフィシュキン教授らが考案し、1994年に英国で初めて実施されて以来、世界18か国70回以上取り組まれてきている手法。
日本では、慶應義塾大学の曽根泰教教授の研究室が、地方行政や国政のテーマについて、大規模なDPを実施してきました。
今回は、その簡易版として開発された少人数向けの「クラスルームDP」が、日本で初めて曽根研究室によって企画運営されました。
討議テーマは「被選挙権年齢の引き下げ」。
「選挙権年齢の引き下げ」、そして来るべき「成人年齢の引き下げ」によって、今後の議論の焦点は「被選挙権年齢の引き下げ」に移る可能性が高まっています。
私自身、NPO法人Rights副代表理事として被選挙権年齢の引き下げを推進しています。
今回の「クラスルームDP」では、大学生の頃から10年以上お世話になっている曽根先生の研究室からの依頼を受け、被選挙権年齢の引き下げに取り組んでいる賛成派として、そして有権者の政治リテラシーや主権者教育の専門家として登壇しました。
もう一人のパネリストは、参議院法制局第一部長の川崎政司氏。立法と行政を熟知したベテラン官僚の方で、ご一緒させていただきながら、的確かつシャープなお答えは大変勉強になりました。
フロアの学生からの質問には、
「被選挙権年齢の引き下げに伴うコストはどんなものがあるのか?」
「有権者のリテラシーが問われると思うが、日本の主権者教育の課題は?」
「衆議院と参議院の違いから考えて被選挙権年齢の引き下げは妥当か?」
「何歳まで引き下げればいいと考えるか?」
など、自分たちと同世代の国会議員とどう向き合っていけばいいのか、試行錯誤しながら考えている様子が見受けられました。
この「クラスDP」によって、どのように参加者の意識が変化したのかについては、曽根研究室の調査成果が送られ次第、またご紹介する予定です。
クラスルームDPの手法は、高校生への主権者教育の一環としても面白いと感じましたので、私も取り入れたプログラムを考えてみようと思っています。
※写真撮影:慶應義塾大学曽根泰教研究室
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