参院選で18・19歳投票率が62.9%を記録した青葉区
11月12日、横浜市青葉区役所にて「青葉区明るい選挙推進協議会」(明推協)の研修会が開催されました。
推進委員・推進員が約50名が参加され、私は基調講演の講師、パネルディスカッションのコーディネータを務めました。
今年5月、同じく横浜市の戸塚区で「18歳選挙権」をテーマに講演をしましたが、その戸塚区のご紹介があったとのことで、今回は青葉区からの依頼を受けました。
青葉区は、2016年7月の第24回参議院通常選挙(選挙区選挙)で、区内の投票率が18歳:67.5%、19歳:58.3%を記録しました。
18・19歳の投票率は62.9%で、横浜市内18区の平均56.5%を大幅に上回り、1位でした。
基調講演は「主権者教育の現状と課題~18歳選挙権をブームで終わらせないために~」で、国内外の様々な主権者教育の事例に加え、青葉区の投票率の結果も紹介しました。
なぜ、青葉区では18・19歳の投票率が際立って高かったのか-。
その要因については、講演でも触れましたが、今回の参院選だけではこれまでの傾向を見ることができないので十分な分析が難しいですし、同区の選挙管理委員会も同様の見解を示していました。
ただ、基調講演後のパネルディスカッションで、この高い投票率に繋がった可能性がある高校の取り組みを知ることができました。
県立市ヶ尾高の主権者教育(模擬選挙・生徒会選挙)に目から鱗!
パネルディスカッション「高校生から見た18歳選挙権と主権者教育」には、青葉区内の神奈川県立市ヶ尾高等学校から4名の高校生が参加。
参加してくれた高校生は、生徒会役員2名、(校内の)選挙管理委員会2名でした。
そこで知ったのは、市ヶ尾高校の主権者教育の充実ぶり!!!
まず、参議院議員選挙前に実際の候補者の名前を書いて投票する「模擬選挙」を実施。
これは、青葉区選管の協力を得て、本物の投票箱や投票用紙を借り、校内に模擬投票所を設置し、模擬選挙立会人も生徒が担当するという内容。
選管によると、高校側からの働きかけで実現したということで、先生方と生徒の皆さんの主体性に脱帽です。
さらに、生徒会役員選挙においても、同様に選管から投票箱を借りて実施しているというから驚きです!
生徒会役員選挙は、立候補しない大半の生徒が関心を持てず、投票率が低い傾向にあったことから、「選挙期間中は校内放送だけでなく立会演説を行う」「投票は各クラスで行うのではなく、投票所を設置し投票を促す」など、工夫を凝らしているそうです。
しかも、その取り組みの多くは生徒の皆さんのアイディアや意見が反映されたということで、大変感激しました。
つまり、市ヶ尾高校では、実際の国政選挙での模擬選挙だけでなく、生徒会選挙を通じて日常的にも社会参画への関心を高める主権者教育を行っているということです。
神奈川県では、2011年度(平成23年度)から全県立高校において、シチズンシップ教育の一環として「政治参加教育」を導入しており、国や他の都道府県と比べて、いち早く主権者教育を実施してきました。
市ヶ尾高校の事例は、さらにその神奈川県においても先進的であり、かつて私が「シチズンシップ教育アドバイザー」を務め、現在は県を代表する主権者教育のリード校になった湘南台高校(藤沢市)と比べても、全く遜色のないほどの取り組みだと言えるでしょう。
もちろん、前述のように、こうした取り組みと参院選における青葉区の18・19歳投票率との相関関係を分析するには尚早ですが、今回のパネルディスカッションでは主権者教育が若者の政治参加を促進する可能性を示唆する貴重な機会となりました。
これを縁に、市ヶ尾高校や青葉区での主権者教育・選挙啓発にご協力していく予定です。
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