都議選と主権者教育②~「ながら投票MAP」を作ろう~

 「スーパーに。駅ビルに。」-増える期日前投票所

今年7月の東京都議会議員選挙に向けて、初めて投票に行く18歳を含め、高校生に取り組んでほしい主権者教育プログラムをご紹介するシリーズ。

第一回は「マイ争点」をご紹介しました。

第二回は「ながら投票MAP」を作ることをご提案します。

「ながら投票MAP」とは、自分の住んでいる街で「買い物しながら、通学・通勤しながら」など、〇〇しながら期日前投票ができる会場をマッピングした地図のこと。

期日前投票は、仕事や用務など公職選挙法の定める一定の理由で、選挙当日に投票できない選挙人が選挙期日前に投票を行うことができる制度です。

(投票手順:財団法人明るい選挙推進協会より)

全国の市町村が定めた期日前投票所で投票することができるわけですが、投票の利便性を高めようと、スーパ-や駅ビルなどに投票所を設置する動きが盛んになっています。

例えば、2016年7月の参議院選挙では、イトーヨーカドーが全国13店舗に、イオンが全国55店舗に、そして西武池袋本店と東武百貨店池袋本店が百貨店としては初めて期日前投票所を設置しました。

若い世代の投票率の低さが課題となっている中、小売り各社は行政と連携し、訪れやすい商業施設内に投票所を設けることで、投票率向上に寄与する。商業施設にとっては集客に結びつけられ、従業員も投票に行きやすいといった利点がある。(日刊工業新聞2016年7月1日付より

また、今年2月には、毎日およそ20万人の乗降客が利用するJR大井町駅に直結する駅ビル「アトレ大井町」内に期日前投票所を設置することが決まりました。

駅ビルに期日前投票所が設置されるのは、都内23区では初めての試みで、今年7月の東京都議会議員選挙から実施されることになっています。

選挙における投票率の低下、若者の選挙離れという課題の一方、期日前投票所を利用する方が増加していることから、より多くの有権者に投票の機会を提供し、投票率向上を図ることを目的としています。(品川区ホームページより)

買い物し・通勤通学し「ながら期日前投票」できるのは?

このような、「買い物しながら」「通勤・通学しながら」投票できる期日前投票所が増えている中で、生徒の皆さんには、自分の街の「ながら投票MAP作り」をすることをオススメしたいと思います。

もちろん、既に各市町村のホームページなどで期日前投票所の案内はあります。

しかし、「〇〇しながら」期日前投票ができる会場は、上でご紹介したように徐々に増えていることもあり、それを一覧にした地図は十分に整備されていません。

そこで、学校での主権者教育プログラムとして、「ながら投票MAP作り」に取り組んでみることは、生徒自身だけではなく、その地域にとっても、有意義な投票所案内ができると思います。

「ながら投票MAP作り」に際しては、地域へのフィールドワークも欠かせません。どこに投票所があるかは自分たちの足で歩いてみないと分からないからです。

その際、役所やスーパー、駅などにヒアリングし、それぞれの場所に期日前投票所を設置した効果や課題なども調べたり、他の地域に設置されている期日前投票所との比較も面白いでしょう。

その上で、今後どのような場所に期日前投票所を設置した方がいいのか生徒たちで議論したり考えたりして、その結果を行政に提案することもできます。

主権者教育として「ながら投票所MAP」を作ることは、単に投票所に足を運ぶことの意義を学ぶだけではなく、自分たちが住む地域の特徴や課題などに目を向けることにも繋がり、生徒が主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」としての効果も期待できます。

「ながら投票」は私の造語ですので、このプログラムにご関心がある高校の先生方や生徒の皆さんは、是非ご連絡いただければ幸いです。

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