都議選と主権者教育③~「公開討論会」を企画しよう~

高校生の高校生による高校生のための「公開討論会」

今年7月の東京都議会議員選挙に向けて、初めて投票に行く18歳を含め、高校生に取り組んでほしい主権者教育プログラムをご紹介するシリーズ。

第一回は「マイ争点」

第二回は「ながら投票MAP作り」

第三回は「公開討論会」を企画することをご提案します。

公開討論会とは、選挙への立候補予定者が一堂に会し政策などについて討論する会です。

主催団体は様々ですが、全国にある青年会議所(JC)が企画することで知られています。

ちなみに、なぜ「立候補予定者」という表記をしているかと言うと…

現行の公職選挙法では、選挙期間中に立候補者以外の第三者がこのような会を開くことが禁じられているため、選挙期間前に立候補を予定している方々にご参加頂いて政策を聞くという方法をとっています。(東京青年会議所HPより

という理由があるからです。

昨夏の参議院選挙に際しても、同様の公開討論会が各選挙区などで開催されましたが、その中で、注目すべき先進的な試みがありました。

2015年12月、福岡工業大学附属城東高等学校(福岡市)と博多高等学校(同)の2年生40名が中心となって「高校生のための模擬選挙実行委員会」を結成。

翌年3月には、この実行委員会が主催して、参院選福岡選挙区で立候補予定者(自民、民主、公明、共産、社民、幸福実現の6党派)を福岡工業大学に招き、同市内の5つの高校から集まった高校生500名の前で公開討論会を開催したのです。

しかも、この公開討論会にあたっては、

実行委は討論会にあたり、6校の高校生約1460人に事前アンケートを実施していた。「政治に関心がある」36%▽「政治に国民の意見が反映している」37%▽「日本の政治に満足している」47%−−にとどまり、政治への冷ややかな見方が強かった。(毎日新聞2016年3月6日付より

さらに、討論会終了後には、福岡市選挙管理委員会から借りた投票箱に、最も支持する候補者名を投票用紙に書いて投票する「模擬選挙」も行いました。

こうした「高校生の高校生による高校生のための」公開討論会を企画運営することは、実際の政治に触れる機会として、主権者教育としても非常に意義があり、今回の東京都議選でも広がってほしいと思います。

都内の大学で初めて「公開討論会」を企画した経験

高校生に「公開討論会」を企画することを勧めるのは、私自身に経験があるからです。

2008年6月、東京都港区長選挙を前に、立候補予定者による公開討論会が開催されました。

この公開討論会は、明治学院大学法学部と東京青年会議所の共催で、同大学白金キャンパスを会場にしたのですが、実行委員会には約20名の同大学生が参加し、企画運営を担ったのです。

私は実行委員長として、約3か月にわたり、東京青年会議所(港区委員会)と一緒に、公開討論会の準備に取り組みました。

(読売新聞2008年5月30日付より)

実は、大学の構内で公開討論会を開催するのは、当時としては東京都内で初の試みだったのです。

この読売新聞をはじめ、朝日新聞や毎日新聞など全国紙でも次々に紹介され、当日は過去の公開討論会の倍以上となる約400名が来場者するなど、大きな反響がありました。

公開討論会にあたっては、事前に有権者である港区民にアンケート調査を行ったうえで、討論会のテーマを絞り、そのデータ等を用いて、公開討論への導入(第一部)として、大学生が港区の現状について来場者に情報を提供する機会も設けました。

この企画にあたって大切にしたポイントは、「政治的中立性の確保」とともに、「若者の政治参加」に主眼を置きつつも「自分たち(大学生)のためだけの公開討論会ではない」ということ。

例えば、第一部の情報提供は、できる限り客観的に行い、データの見方や捉え方に偏りがないように気を付けました。

上でご紹介した「高校生による公開討論会」は、来場者が高校生だけなので、討論テーマを含めた企画運営においては「高校生目線」を追求することが大切です。

一方で、私が学生時代に取り組んだケースは、大学生だけではなく幅広い世代の有権者が参加する公開討論会の企画だったので、「他世代の有権者目線」も必要だったのです。

いずれにせよ、今振り返ると、「若者の政治参加」に強い問題意識をもって、主権者教育に取り組む契機となったのが、この「港区長選挙公開討論会」の経験でした。

今年7月には、18歳選挙権が導入されてから初の東京都議会議員選挙があります。

ぜひ高校生の皆さんには、立候補予定者について「自分の眼で見て、耳で聞き、意見を考える」主権者教育としての「公開討論会」を企画運営してほしいと思っています。

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